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「“水”をゲルにする。それがこんなに難しいなんて。」③

LCAVANCE 開発ストーリー ③

「“水”をゲルにする。それがこんなに難しいなんて。」

S-100という理想の水に出会った時、
「これを基材にすれば、世界にないクレンジングができる」
そう確信していました。

けれど、そこからの道のりは想像以上に険しいものでした。

■ “減粘”という見えない壁

S-100は、還元性イオンを含む特殊な水。
その一方で、イオンの裏側に存在する塩分が、
時間とともに粘度を下げてしまう“減粘現象”を引き起こすのです。

つまり、初めは美しいゲルでも、数日後にはサラサラの液状になってしまう。
一見安定しているようで、時間とともに崩れていく──
これが、S-100を100%使った処方の最大の壁でした。

■ 「なぜ他社が100%のS-100をゲル化しないのか」が、身をもって分かった

他社の製品を調べていく中で、
コラーゲン水などを併用している理由が見えてきました。

それは、S-100を100%使用するとゲル化が非常に難しいから。
つまり、ほとんどのメーカーは「扱いが難しい」ために、
別の水で安定化させているのです。

けれど、私たちは諦めませんでした。
S-100を薄めたくなかった。
そのままの力を、肌に届けたかったからです。

■ 試作を重ねてたどり着いた、“奇跡のバランス”

何百回もの試作を経て、(後で聞いたら・・・普通なら  できません。と断られる案件だったらしいです(笑))
ようやく見つけ出したのが、イオン塩分環境でも減粘しない増粘剤

S-100の還元力を損なわず、
テクスチャーもなめらかで、摩擦レス。
そして、肌にのせた瞬間スッと馴染み、
汚れだけをやさしく浮かせて落とす──。

この時、
「やっと“水”が形になった」と感じました。
それは、科学と感性の両立で生まれた一滴。
まさに、S-100のチカラを最大限に生かした“生きたゲル”の誕生でした。

■ 技術だけではない、“想い”の積み重ね

開発中、処方が安定せず心が折れそうになった日もありました。
けれど、そのたびに思い出したのは、
「敏感肌でも、安心して使えるものを」というお客様の声。

その言葉が背中を押してくれました。


S-100を100%使ってゲル化する。
それは技術ではなく、執念の結果でした。


次回は、こうして完成した試作品を
はじめて肌にのせた瞬間の感動、
そして「これだ」と確信した体験をお話しします。


🕊️ 次回予告

Vol.4:「はじめて肌にのせた瞬間、確信しました。」

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